日本各地で建設が進められている風力発電施設。ところが、そのクリーンで環境にやさしいというイメージとは逆に、さまざまな問題を抱えていることがわかってきています。
建設される風力発電機(2500kw)は、高さ135m、1枚の羽の長さが50mもある日本最大級のもの。どれくらい大きいか想像してみてください。ビルで言えば、30~35階建て。本州最南端・白浜町の野島埼灯台は29メートルしかありません。 ボーイング社最大の旅客機B777の全長73.9メートルをもはるかにしのぎます。こんな巨大なものが、白間津-大川地区の標高130~190mほどの峰々にずらりと並ぶことになります。
現在、日本には既に約1500基の風車が建設されていますが、風車が立ち並ぶ静岡県東伊豆町や愛知県渥美半島をはじめ、各地で住民の健康被害が発生しています。これは巨大風車から発せられる騒音や低周波によるものと考えられていて、頭痛、めまい、吐き気、睡眠障害、高血圧などさまざまな症状が報告されています。3kmも離れた場所に住んでいる方が不眠に苦しんでいる実例もあります。また、風車の大きな影が作り出すフリッカー現象(ちらつき感)も、精神的なストレスを引き起こすと見られます。※ 参考動画
もし、この風車が建設されれば、風車から3km以内の地区として、北は千倉町の忽戸、岡瀬田から南は白浜町の下沢、さらに館山市の畑も含まれることになります。1km圏内には七浦小学校・幼稚園もあります。地元の人々の健康が心配です。
また、建設予定地は白浜町民の水道水源でもある長尾川の源流を挟み込むような位置です。県下一と言われる清流が脅かされれば、白浜町住民の飲み水や農業、漁業への影響もさけられないでしょう。渡り鳥やタカは風車にぶつかって多くの命を落とすかもしれません。山にいられなくなったけものたちは里に下りて畑を荒らしたり、保水力がなくなった山から流れ出した土砂のために、ホタルは死に絶え、アワビやサザエ、イセエビも消えてしまうかもしれません。
事故も各地で起きています。その上、発電機の寿命は15〜20年ほどと言われています。使えなくなった風車の撤去費用を誰が持つのかも決めないまま、発電業者は全国各地に風車を建設し続けています。
また、この事業は売電(発電した電気を電力会社に売って利益を得ること)を目的としていますが、民間企業が営利目的で運営するので市や町には売電収入は一切ありません。風車は日本製に比べ割安の輸入品。エコロジーとは名ばかり、補助金目当ての「エコもの」ビジネスだと言う意見もあります。
かけがえのない自然や人々の暮らしを壊し、健康をおびやかしてまで、巨大な風車をいくつも立てる必要が、ほんとうにあるのでしょうか。二酸化炭素を吸収してくれる森林を、大規模に伐採しなければならないエネルギー事業が、はたしてエコロジーと言えるのでしょうか。
わたしたちは、風力発電そのものに反対するわけではありません。
問題なのは、建てる「場所」なのです。
そして、法規制の不備をいいことに、
周辺住民へのきちんとした説明もないまま
地元地権者の同意もすべて取り付けないうちに計画を押し進め、
稼働後に被害が出ても真摯に対応しようとしない発電業者と
それを黙認・放任したままの国と関係機関のあり方に、
異議を唱えているのです。
どうか、見あげてください。
手つかずのまま残る南房総の美しい山々を。
どうか、忘れないでください。
地域の田畑や海を育んできてくれたことを。
どうか、見失わないでください。
先祖から伝わる命と誇りを。
こどもたちの未来のために・・・・・。
千倉大橋からの眺望予想(業者作成合成写真)
ごぞんじですか?
千倉の風力発電問題を考える会
★ 現在、計画は事実上、凍結されています。
みなさまのご支援に感謝を申し上げます。